兵庫県立大学政策科学研究所は、伝統ある兵庫県立大学附置研究所のひとつです。
兵庫県立大学政策科学研究所は、70年を超える歴史をもつ研究所として、それぞれの時代の要請に応える研究調査活動を進めてまいりました。この研究所は、我が国初の新制公立大学である神戸商科大学が、「経済研究所」として昭和25年(1950年)に設置したことを嚆矢とします。「経済研究所」は平成16年(2004年)の三大学統合を基礎とする兵庫県立大学発足時に、「経済経営研究所」となり、平成22年(2010年)には、現在の「政策科学研究所」に名称を改め、政策科学の研究を深めつつ政策提言を行う研究機関となっています。
概要 : 政策科学研究所は、サステイナブルな社会の構築を含む豊かな未来の創造に向けて取り組み、提言していきます。
政策科学研究所は、サステイナブルな社会の構築を含む豊かな未来の創造に向けて、シンポジウムや政策提言等の様々な機会を活用していきます。ここでは、持続可能な開発目標(SDGs)を始め、その延長にある、「共生」への取り組み、カーボンニュートラルや脱炭素に関する取り組み、地方・地域や地域産業に関する取り組み等の活動が含まれます。
私たちの社会は、持続可能な存続を必要としていますが、その一方で、サステイナブルな社会の構築に向けては、上述の取り組み等に関連する中長期的・短期的な問題や危機が様々な領域に跨がって存在しています。サステイナブルな社会の構築に向けた不確実性や危機は、中長期的な問題・危機として継続し、エネルギー等の関連する中期的・短期的な問題や危機も同様に存在しています。加えて、我々の足下では、複合的な要素を伴う地域社会等での問題が露見していますが、「日本の縮図」とされる兵庫県においても、同様に散見されています。
これらの問題や危機に対する確かな研究と、それに基づく対外的な政策提言等の社会に向けた発信への取り組みは、現在の社会や市民の方々が切に望まれるものと思われます。しかしながら、これらの問題や危機は複合的な要素・背景を伴い、それらへの対応については、1専門分野で分析、対応できる範囲を超えることが多く、様々な分野横断の視点に基づく対処が必要となります。このような取り組みは、UNIVERSITYである現在の総合大学に、必要な姿勢といえるものです。
政策科学研究所は、サステイナブルな社会構築を含む豊かな未来の創造に向けた取り組みとして、文理融合や人文知と社会知の融合等、様々な分野を有機的に、横断的に繋いだ研究活動・政策提言を、シンポジウム等で展開してきました。昨年度は、脱炭素社会構築の有力な柱となり得るメタネーションの可能性を追及するシンポジウム、自然と調和してきた伝統産業・地域産業でもある現代清酒業とサステイナブル社会の可能性を追求するシンポジウム、持続可能な「共生」に向けた関連の障壁・バリアを解消し得る芸術文化の可能性を追求するシンポジウム等といった、取り組みを行ってきました。
政策科学研究所は、引き続き、文理融合や人文知と社会知の融合等、様々な分野を有機的に、横断的に繋いだ活動を展開し、様々な研究人材、研究機関、企業、自治体等からご協力を頂き、現在の社会や市民の方々が必要とする研究活動・政策提言等を実践していきます。そして、私たちの持続可能な豊かな未来の創造に向けて、取り組んでまいります。
政策科学研究所長 田中 隆