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調査・研究プロジェクト「小地域景気動向指標」を更新しました

2016年12月28日 更新
小地域別景気動向指標 平成28年12月

兵庫県内の地域別GRP(支出側)の平成27・28年度の動向と平成29年度の見込
  1. 平成27年度の兵庫県経済を振り返ると、26年度に比べ更に低調となった。動きが弱まった背景には、企業部門が中国など新興国の景気減速の影響を受けたことがあげらえる。また、食料品など生活に近い範囲での物価上昇に伴う消費マインドの鈍化、実質所得の伸び悩み、暖冬の影響など、個人消費も緩慢な動きで推移した。こうしたことから年度後半に低調の度合いが強くなった。
    ただ、企業収益は堅調に推移し、設備投資への姿勢に前向きな動きがみられた。また、訪日外国人観光客の増加などから観光関連も堅調であった。こうした動向を反映し、雇用環境の改善が続いた。
    総じてみると、緩やかながら改善基調が続き、平成27年度のGRP(実質値)は前年度比プラスを維持した。
  2. 平成28年度の兵庫県経済は、前半は27年度からの緩慢な動きが続いた。個人消費は、基調として消費税アップ後に落ち込んで以降、一新一退の動きが続いているが、夏場の天候不順なども加わり、低迷が長期化している。
    他方、景気対策に伴う公共投資の持ち直し、ASEANなどアジア新興国への輸出の底打ちなどもあり、年度後半から持ち直しの動きがみられた。企業部門には底堅さがあるものの、外需回復の遅れなどを反映し、神戸市や中播磨地域では弱い動きが続いた。
  3. 平成29年度の兵庫県経済は、公共投資が下支えとなるなか、28年度後半からの持ち直しの動きが続くと見込まれる。労働需給の引き締まりを反映し、企業部門では、設備の維持・更新に関する設備投資を進める企業が多く、個人部門でも、社会保険料等の増加といったマイナス要因があるものの、雇用所得環境の改善が個人消費の支えとなろう。