ホーム >

調査・研究プロジェクト

小地域別景気動向指標

小地域別景気動向指標 平成28年6月

兵庫県内の地域別GRP(支出側)の平成26・27年度の動向と平成28年度の見込
  1. 平成26年度の兵庫県経済を振り返ると、前年度末の消費増税前の駆け込み需要の反動により、耐久消費財の消費や住宅部門の回復には時間がかかった。他方、米国を中心とした外需の持ち直しなどもあり、企業部門では生産の改善度合いが秋口から増し、老朽化した設備の維持・更新を主体とした設備投資がみられた。雇用環境に関しても改善が続いた。
    こうした企業部門の動きもあり、景気は年度後半から改善基調が強まり、平成26年度全体ではGRP(実質値)が、前年度比若干のプラスを保った。神戸市地域における外需の寄与や、播磨地域における大河ドラマ「軍師 官兵衛」の放映に伴う経済効果の影響などもプラス要因にあげらる。
  2. 平成27年度の兵庫県経済は企業部門では、外需において中国など新興国の景気減速を反映し弱い動きとなった。また、食料品など生活に近い範囲での物価上昇に伴う消費マインドの鈍化、実質所得の伸び悩み、暖冬の影響など、個人消費も緩慢な動きで推移した。
    ただ、企業収益が高めの水準を維持し、設備投資への姿勢に前向きな動きがみられた。また、訪日外国人観光客の増加などから観光関連も堅調であった。こうした動向を反映し、雇用環境の改善が続いた。
    総じてみると、緩やかながら改善基調を維持し、平成27年度のGRP(実質値)は、引き続き前年度比プラスであった。
  3. 平成28年度の兵庫県経済は、緩慢な動きが続くものの企業部門の底堅さが下支えとなると見込まれる。ただ、英国のEU離脱に向けた動きを反映し、海外需要自体の減少と共に、円高の影響が加わり、下振れ圧力が強まることが懸念される。
経済波及効果推計のための「地域産業連関分析ワークシート」について

経済波及効果推計のための「地域産業連関分析ワークシート」について

 地域イベントは、地域活性化の有力な手段の一つである。地域イベントを一過性のものではなく継続させるため、費用対効果や事後的検証など定量的評価を行い、今後の地域政策に反映させることが不可欠である。観光客入込数が、イベントの効果を示す指標として使用されてきたが、観光消費と直接結びつかないことが増えてきため、地域イベントを評価する指標としては適当ではなくなってきた。
観光消費や地域イベント等の経済波及効果を示す生産誘発額は、企業の売上高に相当し、経済活動状況のあらわす指標である。そこで、観光消費や地域イベントの経済効果推計のため、地域産業連関表(7市1町、2地域)を作成し、経済波及効果推計のための産業連関分析ワークシートを作成した。

(1)作成地域

姫路市、尼崎市、豊岡市、加西市、養父市、丹波市、朝来市、神河町、西宮市、芦屋市、伊丹市、淡路市、宍粟市
但馬海岸地域(豊岡市、香美町、新温泉町)、淡路地域(洲本市、南あわじ市、淡路市)

(2)産業連関表の概要

①対象年次 平成23年(1月~12月)
②対象地域 地域内(7市1町、2地域)
   (※平成27年度「観光地域経済見える化推進事業」(観光庁)等に参画した市町等)
③部 門  40部門(観光関連産業分析のため、対個人サービスを飲食・宿泊サービス業とその他対個人サービスに分割)
④価格評価 生産者価格表
⑤その他の取り扱い
・屑・副産物の取り扱いはマイナス投入方式(ストーン方式)とした。
・金融仲介サービス、生命保険及び損害保険の保険サービス、政府の建物及び社会資本に係る資本減耗引当、持家住宅及び給与住宅等に係る住宅賃貸料は帰属計算を行った。
・鉄屑、非鉄金属屑、古紙、事務用品は仮設部門として設定した。自家輸送部門は、兵庫県表に準じ設定していない。
・物品賃貸業、不動産賃貸業及び労働者派遣サービス業は、所有者主義で推計した。

(3)作成方法の概略

 地域産業連関表の部門は、分析結果表章の説明やデータの入手状況を考慮し、産業大分類(40部門)とした。域内生産額は、平成23年兵庫県産業連関表推計値のほか、総務省「平成24年経済センサス-活動調査(売上金額小分類組替値)」、製造業については、経済産業省「工業統計(組替値)」を参照した。最終需要部門(消費、投資)は、平成23年(暦年転換値※)兵庫県「市町民経済計算(支出側試算値)」とした。家計消費支出は総務省「家計調査」、「全国消費実態調査」により推計した。投入額や産出額の推計では、総務省「平成23年産業連関表投入係数」(108部門統合表)により1次値算出とした。 域際収支(移出入)の推計では、移出率は既存の産業連関表データ「平成22年兵庫県内8地域内産業連関表」の移出入率を使用した。平成23年兵庫県表の移出率と著しく相違する場合は、統計誤差に伴うデータの精度確保の観点から原則として兵庫県の移出率を使用した。輸出率は全国表輸出率(=輸出額/生産額)により推計、 輸入率は全国表輸入率(=輸入額/国内輸入額)により推計した。 移入は残差を1次値とし、 バランス調整後に計数を確定させた。
 なお、法政大学日本統計研究所から総務省「平成24年経済センサス-活動調査」組み替えデータから推計した兵庫県内市区町別地域産業連関表推計用データの提供を受けた

経済波及効果分析のための産業連関分析ワークシート
小地域別景気動向指標 平成27年12月

平成27年度・平成28年度兵庫県地域内総生産(支出側:平成27年12月改定)の概要
  1. 平成26年度の兵庫県経済を振り返ると、前年度末の消費増税前の駆け込み需要の反動により、民間需要が4月以降弱含みとなった。消費者マインドの回復には時間がかかり、住宅部門も低調が続いた。他方、企業部門では生産の改善度合いが秋口から増し、老朽化した設備の維持・更新を主体とした設備投資がみられた。
    また、米国を中心とした外需の持ち直しなどもあり、景気は年度後半から改善基調が強まり、平成26年度全体ではGRP(実質値)が、前年度比若干のプラスを保った。神戸市地域における外需の寄与や、播磨地域における大河ドラマ「軍師 官兵衛」の放映に伴う経済効果の影響などもプラス要因にあげられよう。
  2. 平成27年度の兵庫県経済は、食料品など生活に近い範囲での物価上昇に伴う消費マインドの鈍化や、住宅・公共工事関連の低迷など、緩慢な動きで推移している。中国など新興国の景気減速が加わり、生産も足元マイナス基調となっている。
    ただ、企業収益の回復が進んでおり、設備投資への姿勢に前向きな動きがみられる。また、訪日外国人観光客の増加などから観光関連も堅調となっている。こうした動向を反映し、雇用・所得環境の改善が続いている。
    総じてみると、緩やかながら改善基調を維持し、平成27年度のGRP(実質値)は、前年度比プラスが続く見通しである。
  3. 平成28年度の兵庫県経済は、在庫調整の進展などから底堅さを取り戻していくと見込まれる。特に、平成28年度後半には、消費税が税率10%に増税となる前の、耐久消費財など駆け込み需要が再び高まろう。ただ、中国・欧州など海外需要の減少などが懸念される。
小地域別景気動向指標 平成27年10月

兵庫県内の地域別GRP(支出側)の平成26年度の動向と平成27・28年度の見込
  1. 平成26年度の兵庫県経済を振り返ると、前年度末の消費増税前の駆け込み需要の反動により、4月以降、景気が弱含みとなった。特に、雇用環境の改善が続いたものの、消費者マインドの回復には時間がかかった。他方、企業部門では生産の改善度合いが秋口から増し、老朽化した設備の維持・更新を主体とした設備投資がみられた。
    また、米国を中心とした外需の持ち直しなどもあり、景気は年度後半から改善基調が強まった。平成26年度全体では、消費増税後の反動減の影響が残り、GRP(実質値)が、前年度比マイナスであった。
  2. 平成27年度の兵庫県経済は、年度中ごろにかけ中国など新興国の景気減速や、株価下落による消費マインドの低下を反映し、動きは緩慢となっている。企業部門をみると生産が一進一退であり、景況感も足踏み状態となっている。ただ、企業収益の回復が進んでおり、設備投資への姿勢に前向きな動きがみられる。また、訪日外国人観光客の増加などから観光関連も堅調となっている。こうした動向を反映し、雇用・所得環境の改善が続いている。
    総じてみると、緩やかながら改善基調を維持し、平成27年度のGRP(実質値)は、前年度比プラスに転じる見通しである。
  3. 平成28年度の兵庫県経済は、在庫調整の進展などから底堅さを取り戻していくと見込まれる。特に、平成28年度後半には、消費税が税率10%に増税となる前の、住宅部門など駆け込み需要が再び高まろう。ただ、中国・欧州など海外需要の減少や公共部門の息切れなどが懸念される。
「淡路花博2015花みどりフェア」に伴う経済波及効果について

「淡路花博2015花みどりフェア」に伴う経済波及効果について
  1. 「淡路花博2015花みどりフェア」が、“人と自然の共生のステージ”をテーマに平成27年3月21日(土)から5月31日(日)72日間、淡路島内で開催された。会期中の入場者数は、当初目標(300万人)を上回り、淡路市、洲本市、南あわじ市の拠点会場及びサテライト会場(島内43観光施設等)で合計359万1千人であった。
  2. 観光客の活動には、移動・飲食・買物・宿泊などの経済的な効果が伴う。経済波及効果は、事業実施時の消費活動に限らず、情報発信や地域資源の再認識、さらには観光地における交流などによる地域へのフレンドシップの醸成を通じた中長期的な要素もあるが、本調査では、淡路花博15周年記念事業実行委員会事務局の提供資料により、「淡路花博2015花みどりフェア」開催期間中の観光消費を主体とした経済波及効果に限り推計を行った。 
  3. 推計の前提として、「淡路花博2015花みどりフェア」の入場者数等の実績値を用いての最終需要額(直接効果198億2千万円)を推計した。
  4. 「平成22年兵庫県産業連関表」及び「平成22年淡路地域産業連関表」(地域経済構造分析研究会:兵庫県、神戸大学)を使用し、産業連関分析により経済波及効果(直接効果及び第1次間接効果、第2次間接効果)を推計した。経済波及効果の推計結果は下記のとおりである。
小地域別景気動向指標 平成27年7月

兵庫県内の地域別GRP(支出側)の平成26年度の動向と平成27・28年度の見込
  1. 平成26年度の兵庫県経済を振り返ると、前年度末の消費増税前の駆け込み需要の反動により、4月以降、景気が弱含みとなった。特に、雇用環境の改善が続いたものの、消費者マインドの回復には時間がかかった。他方、企業部門では生産の改善度合いが秋口から増し、老朽化した設備の維持・更新を主体とした設備投資がみられた。
    また、米国を中心とした外需の持ち直しなどもあり、景気は年度後半から改善基調が強まった。平成26年度全体では、消費増税後の反動減の影響が残り、GRP(実質値)が、前年度比マイナスであった。
  2. 平成27年度の兵庫県経済は、企業部門をみると生産は一進一退であるものの、企業収益の回復が進んでいる。低金利の持続などもあり、設備投資への姿勢に前向きな動きがみられる。また、訪日外国人観光客の増加などから観光関連も堅調となっている。こうした動向を反映し、雇用・所得環境の改善も続いている。
    ただ、所得環境の改善にはもたつきがあり、弱めとなっている。また、昨年度に景気を下支えした公共投資も、徐々に減少傾向に転じてきている。外需に関しても、円安が一定程度輸出を支えているものの、中国など新興国の景気減速を反映し、動きは緩慢となっている。
    総じてみると、昨年度後半からの改善基調が続き、平成27年度のGRP(実質値)は、4年ぶりに前年度比プラスに転じる見通しである。
  3. 平成28年度の兵庫県経済は、平成27年度の景気改善の動きが持続すると見込まれる。平成28年度後半には、消費税が税率10%に増税となる前の、住宅部門など駆け込み需要が再び高まろう。ただ、エネルギー関連の輸入価格の再上昇や欧州や中国などの需要減少などが懸念される。
「播磨国風土記1300 年祭」記念事業に関する経済効果について

「播磨国風土記1300 年祭」記念事業に関する経済効果について
  1. 日本最古の地誌である『播磨国風土記』が今年、編纂1300 年を迎える。これにちなみ加西市では、『播磨国風土記』に登場する根日女伝説の舞台である玉丘史跡公園において「加西市播磨国風土記1300 年祭」が平成27年5月4日~5日に開催された。
  2. この5月に開催された「播磨国風土記1300 年祭」の本祭に向け、各種事業が平成25年度から平成27年にかけて展開され、「播磨国風土記」について認識を深める契機となるとともに、魅力ある観光資源として多くの人々の関心を集めた。各種事業では市民や地元団体によるイベント等との連携・支援や本事業の情報発信や商品企画などがあった。こうした事業への取り組みを反映し、加西市内外から多くの人々が「播磨国風土記」ゆかりの地や市内観光地に集まり、移動・飲食・買物・宿泊などの経済的な効果が伴った。 
  3. 経済効果は、観光キャンペーン時の消費活動に限らず、情報発信や歴史資源の再確認、観光地におけるふれあいなど中長期的な要素もあげられるが、本調査では、「播磨国風土記」関連事業について、加西市提供資料により関連事業期間中の観光消費を主体とした経済効果に限り推計を行った。
小地域別景気動向指標 平成27年3月

兵庫県内の地域別GRP(支出側)の平成25年度の動向と平成26・27年度の見込
  1. 平成25年度の兵庫県経済を振り返ると、消費税率の引上げを控えた耐久消費財等の購入増加、株高による資産効果を反映した個人消費の押し上げ、円安に伴う輸出の底入れなどプラス要因がみられた。
    もっとも、年度半ばには設備投資への慎重な取り組みや、雇用・所得環境の改善が緩やかなことなどを反映し、回復のテンポが鈍った。年度末には消費税率の引上げ前の駆け込み需要が顕在化したものの、平成25年度のGRP(実質値)は、平成24年度に比べ若干の減少となった。
  2. 平成26年度の兵庫県経済は、前年度末の消費増税前の駆け込みの反動により、4月以降、景気が弱含みとなり、平成26年度全体でもGRP(実質値)は、前年度比マイナスの見通し。雇用環境は着実に改善してきているものの、消費者マインドの改善には時間がかかっている。
    他方、企業部門では生産の改善度合いが秋口から増しており、老朽化が進んでいる設備の維持・更新を主体とした設備投資が予定されている。加えて、米国を中心とした外需の持ち直しや、原油価格の低下、政府による景気対策の効果による下支えなどもあり、景気は年度後半から改善に転じつつある。
    地域別には、丹波地域、但馬地域、淡路地域などにおいて、消費税率の引上げを背景とした個人消費低迷の度合いが高くなっている。他方、中播磨地域、西播磨地域の民間消費支出は前年度比プラスを維持しているが、背景として大河ドラマ「軍師 官兵衛」の放映に伴う経済効果の影響もあげられよう。
  3. 平成27年度の兵庫県経済は、26年度後半からの景気改善の動きが強まるなか、消費税率の引上げ延期による消費意欲低下の回避や住宅投資の持ち直しなどから底堅く推移すると見込まれる。平成27年度のGRP(実質値)は、4年ぶりに前年度比プラスと見込まれる。
「軍師官兵衛」に伴う経済効果を推計

兵庫県立大学政策科学研究所地域経済指標研究会
  1.  政策科学研究所では、研究プロジェクトとして「地域経済指標研究会」を平成22年9月に設置し、地域プロジェクトの調査等を行っております。この度、本研究会で平成26年にNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」放映に伴い実施された「ひめじ官兵衛プロジェクト」などに関わる経済効果を推計しましたので公表します。
  2.  大河ドラマ「軍師官兵衛」の放送は、姫路・播磨と官兵衛とのかかわりを再認識する契機となり、同時に、魅力ある観光資源として多くの人々の関心を集めました。
  3.  黒田官兵衛への関心の高まりに応えるべく、姫路市では「ひめじ官兵衛プロジェクト」と銘打った観光キャンペーンが展開され、「ひめじの黒田官兵衛 大河ドラマ館」、「官兵衛の歴史館」といったパビリオンの設置、市民や地元団体によるイベント等との連携・支援、イメージキャラクター活用等による情報発信などによる盛り上がりがみられました。大河ドラマ「軍師官兵衛」の中では、お盆頃までは播磨地域が舞台となることが多かったが、「あいたい兵庫キャンペーン」も実施され、盛り上がりが兵庫県全体に広がりました。こうした観光キャンペーンへの取り組みを反映し、県内外から多くの人々が黒田官兵衛関連の観光拠点に集まり、イベント・行事へ参加しました。本調査では、「軍師官兵衛」観光キャンペーンの期間中の観光消費を主体とした経済効果に限って推計を行いました。
  • 軍師官兵衛の経済効果(期間:平成25年4月~12月及び平成26年1月~12月)
    兵庫県内 姫路市内
    生産誘発額 243億円 生産誘発額 120億円
    生産誘発額 243億円 生産誘発額 120億円
    直接効果 159億円 直接効果 96億円
    付加価値誘発額 137億円 付加価値誘発額 66億円
    就業者誘発数 2,797人 就業者誘発数 1,462人

小地域別景気動向指標 平成26年12月

兵庫県内の地域別GRP(支出側)の平成25年度の動向と平成26・27年度の見込
  1. 平成25年度の兵庫県経済を振り返ると、株高による資産効果を反映した個人消費の押し上げ、消費税率の引上げを控えた耐久消費財等の購入増加、円安に伴う輸出の底入れなどプラス要因がみられた。ただ、年度半ばには設備投資への慎重な取り組みや、雇用・所得環境の改善が緩やかなことなどを反映し、回復のテンポが鈍った。年度末には消費税率の引上げ前の駆け込み需要が顕在化したものの、平成25年度のGRP(実質値)は、平成24年度とほぼ水準なものにとどまった。
  2. 平成26年度の兵庫県経済は、前年度末の消費増税前の駆け込みの反動により、4月以降、景気が弱含みとなった。自動車販売など駆け込み需要が強かった分野で反動減の影響が残り、夏場の天候不順も加わり、消費者マインドの改善には時間がかかっている。
    他方、企業部門では生産の改善度合いが秋口から増しており、老朽化が進んでいる設備の維持・更新を主体とした設備投資が予定されている。加えて、政府による景気対策の効果による下支えや米国を中心とした外需の継続もあり、景気は年度後半から持ち直しに転じつつある。もっとも、平成26年度全体のGRP(実質値)は、前年度比マイナスの見込み。
    地域別には、丹波地域などにおいて、消費税率の引上げを背景とした個人消費低迷の度合いが高くなっている。他方、中播磨地域の民間消費支出は前年度比プラスを維持しているが、背景としてNHKの大河ドラマ「軍師 官兵衛」の放映に伴う経済効果の影響もあげられよう。
  3. 平成27年度の兵庫県経済は、26年度後半からの景気改善の動きが強まるなか、消費税率の引上げ延期による消費意欲低下の回避や住宅投資の持ち直しなどから底堅く推移すると見込まれる。
小地域別景気動向指標 平成26年9月

兵庫県内の地域別GRP(支出側)の平成25年度の動向と平成26・27年度の見込
  1. 平成25年度の兵庫県経済を振り返ると、株高による資産効果を反映した個人消費の押し上げ、消費税率の引上げを控えた耐久消費財等の購入増加、円安に伴う輸出の底入れ、など多くのプラス要因がみられた。GRP(実質値)の前年度比も、平成24年度の減少から平成25年度は増加に転じた。
    年度半ばは、設備投資への慎重な取り組みや、雇用・所得環境の改善が緩やかなことなどを反映し回復のテンポが鈍ったが、年度末には消費税率の引上げ前の駆け込み需要が顕在化した。
    地域別には、阪神地域の製造業集積で生産が堅調であるとともに、丹波地域において安心・安全(医療や災害対応等)を目指した基盤整備の動きや前年度落ち込んだ製造業の反動増などを反映して成長が高めとなった。
  2. 平成26年度の兵庫県経済は、前年度末の消費増税前の駆け込みの反動により、4月以降、景気が弱含みで推移している。自動車販売など駆け込み需要が強かった分野では変動減の影響が残っており、夏場の天候不順も加わり、消費者マインドの改善には時間がかかっている。
    他方、企業部門では生産が底堅く推移しており、収益面の改善もあり、老朽化が進んでいる設備の維持・更新を主体として設備投資が続くものと見込まれる。加えて、政府による景気対策の効果による下支えや、米国を中心とした外需の継続もあり、景気の基調は年度後半緩やかに持ち直していこう。
  3. 企業収益の回復を受けて雇用・所得環境は、緩やかな改善が続いていおり、一部で人手不足の分野が出てきている。もっとも、人口減少に伴う市場の先細り懸念もあり、域内の本格的な新規の設備投資への姿勢は慎重で、内需の自律回復力は脆弱な状態が続いており、平成26年度の実質GRPは、マイナス成長にとどまると見込まれる。
  4. 平成27年度の兵庫県経済は、消費増税の実施状況によるが、平成25年度に落ち込んだ外需(純移出等)の回復基調が続けば、実質GRPは小幅ながらプラス成長に転じるだろう。
「軍師官兵衛」に伴う経済効果(平成26年上半期分試算)について

兵庫県立大学政策科学研究所地域経済指標研究会
  1.  現在、NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」が放送されているが、姫路・播磨には黒田官兵衛ゆかりの史跡が多く存在する。例えば、姫路市内には、官兵衛が生まれ育った姫路城を始め、主君小寺氏や父・職隆の居城跡、祖父・重隆や父母の廟所の他、赤松氏と戦った古戦場跡など多くの史跡が残っている。更に、播磨には三木城・佐用城、志方城など官兵衛が関わった城跡等が点在している。大河ドラマ「軍師官兵衛」の放送は、姫路・播磨と官兵衛とのかかわりを再認識する契機となり、同時に、魅力ある観光資源として多くの人々の関心を集めている。
  2.  黒田官兵衛への関心の高まりに応えるべく、姫路市では「ひめじ官兵衛プロジェクト」と銘打った観光キャンペーンが展開されており、「ひめじの黒田官兵衛大河ドラマ館」、「官兵衛の歴史館」といったパビリオンの設置、市民や地元団体によるイベント等との連携・支援、イメージキャラクター活用等による情報発信などに取り組んでいる。
  3.  秋から実施される「あいたい兵庫キャンペーン2014」においても、全国への情報発信、観光客の呼び込みが予定されている。
    こうした観光キャンペーンへの取り組みを反映し、県内外から多くの人々が黒田官兵衛関連の観光施設を訪れている。人々の活動には移動・飲食・買物・宿泊などの経済的な効果が伴う。経済効果は、観光キャンペーン時の消費活動に限らず、情報発信や歴史資源の再確認、観光地におけるふれあいなどによる姫路・播磨地域へのフレンドシップの醸成を通じた中長期的な要素もあげられようが、本調査では、「軍師官兵衛」の放送を契機とした、ひめじ官兵衛プロジェクトの期間中の観光消費を主体とした経済効果に限って推計を行った 。
小地域別景気動向指標 平成26年6月

兵庫県内の地域別GRP(支出側)の平成25年度の動向と平成26・27年度の見込
  1.  平成25年度の兵庫県経済を振り返ると、米国景気回復や円安に伴う輸出の底入れ、株高による資産効果を反映した個人消費の押し上げ、消費税率の引上げを控えた耐久消費財等の購入増加など多くのプラス要因がみられた。GRP(実質値)の前年度比も、平成24年度の減少から平成25年度は増加に転じた。 年度半ばは、設備投資への慎重な取り組みや、雇用・所得環境の改善が緩やかなことなどを反映し回復のテンポが鈍ったが、年度末には消費税率の引上げ前の駆け込み需要が顕在化した。 地域別には、阪神地域の製造業集積で生産が堅調であるとともに、丹波地域において安心・安全(医療や災害対応等)を目指した基盤整備の動きや前年度落ち込んだ製造業の反動増などを反映して成長が高めとなった。
  2.  平成26年度の兵庫県経済は、前年度末の消費増税前の駆け込みの反動により、4月以降、景気が弱含みで推移している。自動車販売など駆け込み需要が強かった分野では変動減の影響が大きくなっているものの、大型小売店の販売などは落ち込みの度合いが比較的小幅にとどまっている。 企業部門でも、生産が低調となっているが、収益面の改善もあり、老朽化が進んでいる設備の維持・更新を主体とした投資は底堅く推移するものと見込まれる。加えて、政府による景気対策の効果による下支えや、米国を中心とした外需の継続もあり、景気の基調は緩やかに持ち直していこう。
  3.  企業収益の回復を受けて雇用・所得環境は、緩やかな改善が続いていおり、一部で人手不足の分野が出てきている。もっとも、人口減少に伴う市場の先細り懸念もあり、域内の本格的な新規の設備投資への姿勢は慎重で、内需の自律回復力は脆弱な状態が続いているため、平成26年度の実質GRPは、横ばいと見込まれる。
  4.  平成27年度の兵庫県経済は、消費増税の実施状況によるが、平成25年度に落ち込んだ外需(純移出等)の回復基調が続けば、実質GRPはプラス成長に転じるだろう。
小地域別景気動向指標 平成25年12月

兵庫県内の地域別GRP(支出側)の平成24・25年度の動向と平成26年度の見込
  1.  平成24年度の兵庫県経済は、欧米を中心とした世界経済減速に伴う外需減少や日中摩擦などの影響から、生産が低調な状態が続いた。設備投資も企業収益の低迷、円高を反映した海外における生産拠点の整備などから慎重姿勢が広がった。雇用・所得環境の改善が鈍いなか、エコカー補助金終了に伴う自動車販売の反動減など、年度中ごろには停滞感が一層強まった。
     年度末にかけては、外為レートの円安方向への反転や緊急経済対策が盛り込まれた補正予算の成立など、アベノミクスの展開に関わる明るい材料が出てきた。ただ、平成24年度全体のGRP(実質値)は、前年度(23年度)に続き、前年度比ほぼ同水準にとどまった。
  2.  平成25年度の兵庫県経済を振り返ると、米国景気回復や円安に伴う輸出の底入れ、株高による資産効果を反映した個人消費の押し上げ、消費税率の引上げを控えた耐久消費財等の購入増加など多くのプラス要因がみられた。GRP(実質値)も増加に転じ、プラス幅(前年度比)が3年ぶりに増すことになろう。
     アベノミクス効果は景気回復への動きに寄与したが、設備投資への慎重な取り組みが続き、雇用・所得環境の改善も緩やかであるなど、年度後半には回復のテンポが鈍り、自律回復力は脆弱な状態が続いている。
     地域別には、阪神地域の製造業集積で生産が堅調であるとともに、丹波地域においては災害対応といった公共部門の基盤整備の動きを反映して成長が高めになっている。
  3.  平成26年度の兵庫県経済は、米国を中心とした外需の継続が見込まれるものの、前年度にみられた消費税率引上を意識した個人消費・住宅投資に対する反動減や、円安に伴う輸入品の価格上昇、電気料金値上げなどのマイナス要因からの影響が懸念される。ただ、政府による景気対策の効果による下支えもあり、大きな落ち込みにはならないと見込まれる。
小地域別景気動向指標 平成25年7月

兵庫県内の地域別GRP(支出側)の平成24年度の動向と平成25年度・26年度の見込
  1.  平成24年度の兵庫県経済を振り返ると、欧米を中心とした世界経済減速に伴う外需減少や日中摩擦などの影響から、生産が低調な状態が続いた。設備投資も企業収益の低迷、円高を反映した海外における生産拠点の整備などから慎重姿勢が広がった。雇用・所得環境の改善が鈍いなか、エコカー補助金終了に伴う自動車販売の反動減など、年度中ごろには停滞感が一層強まった。
     年度末にかけては、外為レートの円安方向への反転や緊急経済対策が盛り込まれた補正予算の成立など、アベノミクスの展開に関わる明るい材料が出てきた。ただ、平成24年度全体のGRP(実質値)は、前年度(23年度)に続き、前年度比ほぼ同水準にとどまった。
     地域別には、中播磨地域の製造業集積で生産が堅調であるとともに、淡路において安心・安全(医療や災害対応等)を目指した基盤整備の動きを反映して成長が高めになっている。
  2.  平成25年度の兵庫県経済は、米国景気回復や円安に伴う輸出の底入れ、株高による資産効果を反映した個人消費の押し上げ、消費税率の引上げを控えた耐久消費財等の購入増加などプラス要因が多く働くと見込まれる。GRP(実質値)も3年ぶりにプラス幅(前年度比)が増すと予想される。
     アベノミクス効果が当面景気を押し上げようが、設備投資への慎重な取り組みが続き、雇用・所得環境の改善も緩やかであるなど、自律回復力の脆弱さが続こう。
  3.  また、日中摩擦の継続や円安に伴う輸入品の価格上昇、電気料金値上げなどのマイナス要因からの影響も懸念される。平成26年度においては、外需が下支えとなるものの、消費税率引き上げに伴う個人消費・住宅投資の反動減や、公共投資の押し上げ効果のはく落などを背景に、成長が足踏みの状態になると見込まれる。
第2回神戸マラソンの応援・観戦者の動向

平成24年11月25日に、第2回神戸マラソンが開催された。昨年度の第1回大会と同様にコース沿線は多くの応援・観戦者で埋まった。応援・観戦者からの声援、視線、沿線のイベント等は、ランナーの励まし、交流をもたらし、大会を盛り上げた。

応援・観戦者は、大きく2つに分けられる。一つはランナーの家族・知人であり、もう一つは走っているランナーを見ること、大会の臨場感を楽しむ人々、ランナーと一緒に大会を盛り上げようとする人々である。

始めのランナーの家族・知人に関しては、普段一緒にいる人が大変な体力・忍耐力が必要なマラソンに参加する訳で、応援も走っているところをみて励まそうという動きが中心になる。コース沿線の複数のポイントを移動し、ポイント毎に応援を行い、最終のゴールで完走を喜び合う方も多い。他方、遠方から参加された方のなかには、何度もマラソンに参加しているランナーもおり、応援・観戦者の方は応援・観戦もするけれども、せっかく神戸に来たのだから、神戸観光を楽しむ要素が大きいこともみうけられる。

また、家族・知人がマラソンに参加しないものの、大会の臨場感を楽しむ人々、ランナーと一緒に大会を盛り上げようとする人々は、多くのランナーが様々なスタイルで走っていく様子を見ること、ランナーとの交流などから、元気や楽しみをもらうこととなる。また、団体で踊ったり、音楽を奏でたり、応援グッズを利用して沿線を盛り上げたりと、応援・観戦者の活動自体が楽しみにもなる。若松公園、舞子公園、ホームズスタジアム神戸(御崎公園)、ゴール地点を中心に多様なイベントが行われたが、こうしたイベントの見学・参加も応援・観戦者の楽しみとなる。大会を楽しもうという方々のなかにでも、2・3人の少なめな人数でランナーの走りや大会の雰囲気を楽しむという応援・観戦者がいる一方、地元や職場の仲間が集まり応援の企画・実施をしたり、所属している団体がイベントに参加するなど自身も活動する、活動の一部を担う応援・観戦者がいるという違いもみられる。神戸マラソンに参加するランナーと共に応援・観戦者の動向も様々な特徴があり、それぞれのニーズを満たすような取り組みを進めることが、神戸マラソンをよりよいものにしていくことにつながろう。

第2回神戸マラソンの応援・観戦者の動向

小地域別景気動向指標 平成25年3月

兵庫県内の地域別GRP(支出側)の平成24年度の動向と平成25年度の見込
  1.  平成24年度の兵庫県経済を振り返ると、欧米を中心とした世界経済減速に伴う外需減少や日中摩擦などの影響から、生産が低調な状態が続いた。設備投資も企業収益の低迷、円高を反映した海外における生産拠点の整備などから慎重姿勢が広がった。雇用・所得環境の改善が鈍いなか、エコカー補助金終了に伴う自動車販売の反動減など、年度中ごろには停滞感が一層強まった。
     年度末にかけては、外為レートの円安方向への反転や緊急経済対策が盛り込まれた補正予算の成立など明るい材料が出てきたものの、平成24年度のGRP(実質値)は、前年度(23年度)に続き足踏み状態が継続すると見込まれる。
     地域別には、中播磨地域の製造業集積で生産が堅調であるとともに、淡路において安心・安全(医療や災害対応等)を目指した基盤整備の動きを反映して成長が高めになっている。
  2.  平成25年度の兵庫県経済は、自動車補助金終了の反動減が薄れるほか、海外需要の底入れ、平成24年度末からの緊急経済対策が盛り込まれた補正予算の効果、消費税率の引上げを控えた耐久消費財等の購入増加などプラス要因が多く働くと見込まれる。雇用・所得環境の改善は緩やかなものの、個人の消費マインド改善から消費は堅調に推移しよう。GRP(実質値)も3年ぶりにプラス幅(前年度比)が増すと予想される。
  3.  もっとも、日中摩擦の継続や円安に伴う輸入品の価格上昇、電気料金値上げなどのマイナス要因からの影響が懸念される。また、平成26年度からの消費税率引き上げ後の影響に備えていくことが必要となろう。
「KOBE de 清盛 2012」に伴う経済効果

平成24年にNHK大河ドラマ「平清盛」が放映されたが、神戸兵庫には平清盛ゆかりの史跡が多く存在する。例えば、平清盛は、宋との貿易を盛んにする為、大輪田泊(神戸市)の大修築や室津(たつの市)など瀬戸内海航路の整備を進め、更に新しい国づくりを目指して福原遷都を行った。清盛没後の源平の戦いに関する史跡も点在している。大河ドラマ「平清盛」の放映は、神戸兵庫と清盛とのかかわりについて認識を深める契機となったが、同時に、魅力ある観光資源として多くの人々の関心を集めた。

平清盛への関心の高まりに応えるべく、神戸では「KOBE de 清盛 2012」観光キャンペーンが展開され、「ドラマ館」「歴史館」といった特設会場の設置、市民や地元団体によるイベント等との連携・支援、ロゴ活用等による情報発信・商品企画などによる盛り上がりがみられた。大河ドラマ「平清盛」のなかで神戸が舞台となることが多くなった秋からは「あいたい兵庫キャンペーン2012」も実施され、盛り上がりが兵庫県全体に広がった。

こうした観光キャンペーンへの取り組みを反映し、県内外から多くの人々が平清盛関連の観光拠点に集まり、イベント・行事へ参加したが、人々の活動には移動・飲食・買物・宿泊などの経済的な効果が伴う。経済効果は、観光キャンペーン時の消費活動に限らず、情報発信や歴史資源の再確認、観光地におけるふれあいなどによる神戸兵庫へのフレンドシップの醸成を通じた中長期的な要素もあげられようが、本調査では、「KOBE de 清盛 2012」観光キャンペーンの期間中の観光消費を主体とした経済効果に限って推計を行った。

「KOBE de 清盛 2012」に伴う経済効果

小地域別景気動向指標 平成24年12月

兵庫県内の地域別GRP(支出側)の平成24年度の動向と平成25年度の見込
  1.  平成23年度の兵庫県経済を振り返ると、東日本大震災後の3月の落ち込みから、4月以降持ち直しがみられたが、持ち直しの動きは、高い水準の円高等に伴う輸出環境の悪化やタイの洪水の影響などから、緩やかなものにとどまった。23年度全体でみても、東日本大震災後の落ち込みがあり、そこからの回復度合いが円高・タイの洪水など厳しい環境のなか限定的であったため、前年度(22年度平均)の実質GRPに比べ、ほぼ同水準まで戻すにとどまった。
  2.  平成24年度の兵庫県経済は、欧州経済の低迷、日中摩擦の影響など外需の弱まりを受けて、生産の減少傾向が続いている。設備投資も企業収益の低迷、円高を反映した海外における生産拠点の整備などから慎重姿勢が継続。雇用・所得環境の改善が鈍いなか、エコカー補助金終了に伴う自動車販売の反動減の影響などから個人消費も弱含みとなっている。 平成24年度のGRP(実質値)も、前年度(23年度)に続き足踏みが続くと見込まれる。
     地域別には、中播磨地域の製造業集積で生産が回復するとともに、淡路において安心・安全(医療や災害対応等)を目指した基盤整備の動きを反映して成長が高めになっている。
  3.  平成25年度の兵庫県経済は、自動車補助金終了の反動減が薄れるほか、海外需要の底入れに加え、消費税率の引上げを控えた耐久消費財の購入や住宅投資が増加することが予想され、GRP(実質値)も3年ぶりにプラス幅(前年度比)が増すと見込まれる。もっとも、日中摩擦の影響の継続や電気料金値上がりなどから回復に力強さはみられない。
小地域別景気動向指標 平成24年6月
小地域別景気動向指標 平成24年3月

兵庫県内の地域別GRP(支出側)の平成23年度の動向と平成24年度の見込
  1.  平成23年度の兵庫県経済を振り返ると、東日本大震災後の3月の落ち込みから、4月以降持ち直しがみられた。ただ持ち直しの動きは、高い水準の円高等に伴う輸出環境の悪化やエコ減税終了の影響などから、緩やかなものにとどまった。年度半ばになると、タイの洪水の影響や欧州経済の低迷、節電など厳しい経営環境が続くなか、景気は足踏み状態となった。震災後の自粛により萎縮した消費マインドは回復してきたが、雇用・所得環境の改善が遅れており、個人消費の改善に力強さはみられなかった。
     年度終盤には、タイの洪水の影響が薄れるなか、自動車関連産業の回復や震災復興需要など改善の動きが一部でみられた。もっとも、24年度全体でみると、東日本大震災後の落ち込みがあり、そこからの回復度合いが円高・タイの洪水など厳しい環境のなか限定的であったため、23年度全体に比べ、前年度比マイナスにとどまった。
  2.  平成24年度の兵庫県経済は、企業収益への厳しい環境が持続するなか、新興国への輸出や震災復興需要などにより、緩やかな回復になると見込まれる。
     設備投資は企業収益の低迷、海外における生産拠点の増強などを反映し伸び悩む見通し。雇用・所得環境も徐々に改善が進むと見込まれるが、全国に比べ以前厳しい水準が続こう。
     地域別にみると、播磨地域の製造業集積で生産が回復するとともに、北播磨や淡路において安心・安全を目指した基盤整備の動きを反映して成長が高めになると見込まれる。
  3.  平成24年度は国内外からの需要が成長の下支えとなろうが、原油価格の上昇や欧州債務問題などのマイナス要因が懸念される。また、冬季に続き、夏季も電力供給の動向からの影響を注視していくことが必要であろう。
小地域別景気動向指標 平成23年10月

兵庫県内の地域別GRP(支出側)の平成22年度の動向と平成23年度の見込
  1.  平成22年度の兵庫県経済を振り返ると、年度前半はリーマンショック後の混乱抑制を目指した財政・金融政策の効果を反映し回復基調であったものの、エコカー補助金終了を見据えた自動車の減産を始めとする政策効果の息切れや円高持続の影響などから、年度中頃になると回復テンポが鈍化し、踊り場局面となった。
     年度の後半には、中国・新興国向けの輸出堅調を背景として、踊り場局面から緩やかな回復過程をたどるようになったが、3月11日に東日本で大地震が発生したため、震災に伴う需要・供給の減少、原発問題、計画停電などから景気は急速に冷え込んだ。
     但し、リーマンショックに伴う経済低迷の底の状態にあった平成21年度に比較すると、平成22年度は前年度比プラスに転じる。
  2.  平成23年度の兵庫県経済は、東日本大震災後の3月の落ち込みから、4月以降持ち直しがみられた。ただ、高い水準の円高等に伴う輸出環境の悪化やエコ減税終了の影響などから、持ち直しの動きは緩やかなものにとどまっている。
     年度後半になると、東日本における生産拠点の立ち直り範囲の広がりや復興需要の高まりなどを背景として、改善の動きが強まると見込まれる。東日本大震災後の自粛により萎縮した消費マインドは回復してきたが、雇用・所得環境の改善が遅れており、個人消費の低調が続こう。
     地域別にみると、鉄鋼・機械類の集積が厚く生産が堅調な播磨地域は前年度比プラスを持続すると見込まれる。もっとも、国内市場の伸び悩み、超円高、海外と比べ高い法人税、貿易自由化の遅れなど経営環境は厳しさが一段と増している。
  3.  平成23年度後半には震災復興の動きが強まろうが、外為相場の1ドル80円を超える円高に伴う輸出産業の海外市場における競争力低下に加え、アジアにおける投資抑制など外需のマイナス要因が懸念される。また、夏季に続き、冬季も電力供給の動向からの影響を注視していくことが必要であろう。
兵庫県内地域別経済動向総合指標の試算、公表について

地域経済指標研究会

兵庫県立大学政策科学研究所

兵庫県企画県民部政策室

神戸女子大学

総合的な地域施策を効果的に展開する上で、地域の経済動向を早期に的確に把握することが不可欠であるが、現状では地域別の経済指標は、全国指標に比べ少なく、公表時期も遅いという問題を抱えている。特に兵庫県内の地域経済情勢を総合的に把握する統計である「兵庫県市町民経済計算」は公表時期が速報で年度終了後、10か月後であり、地域経済動向を総合的かつ迅速に示す経済指標は十分とはいえない。

このため、地域経済指標研究会では、兵庫県内地域別経済動向総合指標である地域内総生産(支出側)を試算した。この指標は県内市町別にGDPの構成要素である消費、投資、外需(移出-移入)を市町別の消費、投資などの需要項目別の各種の地域別経済データを活用し作成した。併せて限られた情報からではあるが、地域別経済見通し(平成 22年度)について試算した。

市町別の一次統計の不足が指標の安定性に影響を及ぼしており、作成手法については未だ課題が残されている。今後は、本指標の精度を高め、各地域の経済動向のより迅速な把握に資するものとしていきたい。

(参考)研究会の今後の検討課題

・四半期別兵庫県内GDP速報(兵庫QE)データを利用し、改定値の作成(年4回)

兵庫QEは年4回(3月、6月、10月、12月)作成、公表されているが、データの精度を高めるため、このデータを取り込んだ改定値を作成し、公表する。

・四半期別地域別経済動向指標の試算の検討

現時点は年度推計値であるが、きめ細かい経済動向の把握のため、四半期別指標の作成について検討する。