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調査・研究プロジェクト「小地域景気動向指標」を更新しました

2012年3月27日 更新
小地域別景気動向指標 平成24年3月

兵庫県内の地域別GRP(支出側)の平成23年度の動向と平成24年度の見込
  1.  平成23年度の兵庫県経済を振り返ると、東日本大震災後の3月の落ち込みから、4月以降持ち直しがみられた。ただ持ち直しの動きは、高い水準の円高等に伴う輸出環境の悪化やエコ減税終了の影響などから、緩やかなものにとどまった。年度半ばになると、タイの洪水の影響や欧州経済の低迷、節電など厳しい経営環境が続くなか、景気は足踏み状態となった。震災後の自粛により萎縮した消費マインドは回復してきたが、雇用・所得環境の改善が遅れており、個人消費の改善に力強さはみられなかった。
     年度終盤には、タイの洪水の影響が薄れるなか、自動車関連産業の回復や震災復興需要など改善の動きが一部でみられた。もっとも、24年度全体でみると、東日本大震災後の落ち込みがあり、そこからの回復度合いが円高・タイの洪水など厳しい環境のなか限定的であったため、23年度全体に比べ、前年度比マイナスにとどまった。
  2.  平成24年度の兵庫県経済は、企業収益への厳しい環境が持続するなか、新興国への輸出や震災復興需要などにより、緩やかな回復になると見込まれる。
     設備投資は企業収益の低迷、海外における生産拠点の増強などを反映し伸び悩む見通し。雇用・所得環境も徐々に改善が進むと見込まれるが、全国に比べ以前厳しい水準が続こう。
     地域別にみると、播磨地域の製造業集積で生産が回復するとともに、北播磨や淡路において安心・安全を目指した基盤整備の動きを反映して成長が高めになると見込まれる。
  3.  平成24年度は国内外からの需要が成長の下支えとなろうが、原油価格の上昇や欧州債務問題などのマイナス要因が懸念される。また、冬季に続き、夏季も電力供給の動向からの影響を注視していくことが必要であろう。