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調査・研究プロジェクト「小地域景気動向指標」を更新しました

2016年6月30日 更新
小地域別景気動向指標 平成28年6月

兵庫県内の地域別GRP(支出側)の平成26・27年度の動向と平成28年度の見込
  1. 平成26年度の兵庫県経済を振り返ると、前年度末の消費増税前の駆け込み需要の反動により、耐久消費財の消費や住宅部門の回復には時間がかかった。他方、米国を中心とした外需の持ち直しなどもあり、企業部門では生産の改善度合いが秋口から増し、老朽化した設備の維持・更新を主体とした設備投資がみられた。雇用環境に関しても改善が続いた。
    こうした企業部門の動きもあり、景気は年度後半から改善基調が強まり、平成26年度全体ではGRP(実質値)が、前年度比若干のプラスを保った。神戸市地域における外需の寄与や、播磨地域における大河ドラマ「軍師 官兵衛」の放映に伴う経済効果の影響などもプラス要因にあげらる。
  2. 平成27年度の兵庫県経済は企業部門では、外需において中国など新興国の景気減速を反映し弱い動きとなった。また、食料品など生活に近い範囲での物価上昇に伴う消費マインドの鈍化、実質所得の伸び悩み、暖冬の影響など、個人消費も緩慢な動きで推移した。
    ただ、企業収益が高めの水準を維持し、設備投資への姿勢に前向きな動きがみられた。また、訪日外国人観光客の増加などから観光関連も堅調であった。こうした動向を反映し、雇用環境の改善が続いた。
    総じてみると、緩やかながら改善基調を維持し、平成27年度のGRP(実質値)は、引き続き前年度比プラスであった。
  3. 平成28年度の兵庫県経済は、緩慢な動きが続くものの企業部門の底堅さが下支えとなると見込まれる。ただ、英国のEU離脱に向けた動きを反映し、海外需要自体の減少と共に、円高の影響が加わり、下振れ圧力が強まることが懸念される。